地中海世界と瀬戸内世界

スマホの普及でGoogle マップを見るようになった人は多いやではなかろうか。そして、そうした人たちの何割かは、地図の面白さにハマってしまったことだろう。何故ならばあの精密な、それも地形図のマップを見ると、非常にその地域の地政学的条件が見えるからである。
さて、そうしたことから自身もGoogleマップを通して地理オタクと成り果てた一人である。
 
いろいろな地域の地形を見てきて気づいたことだが、地中海と瀬戸内の地形が似ているのだ。
 
地形や周囲の条件を見るに、瀬戸内沿いの関西が古代中世の中心地だったことがなんとなくわかってくる。と言うか、自分なりに関西が栄えた理由に説明がついてくるのだ。
 
地中海も瀬戸内も陸地が海を囲む地形。明治以前の物流は船が主役。海や水路はイコール幹線、ハイウェイとなる。
 
ローマに物を送る時、イタリアの内地から送るより対岸のエジプトから船で送る方がコストが安かったという。海を囲む地形は経済力がある。
 
中東、オリエントを牛耳ったのはペルシャだったが、ペルシャ地中海世界に近接する山に囲まれた山国だった。古代の中心地である奈良も瀬戸内世界に接した山国。山に囲まれていた。
 
ペルシャと奈良を囲む山々は天然の城壁となった。文明世界に近く、守るに易い要害の地。
ペルシャがオリエントの、奈良が日本の覇者となるのは自然な事だった。
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ペルシャ、エジプト、ローマ帝国、ヘレニズム国家。古代文明諸国は地中海の水運がインフラでありパワーの源。
 
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地中海と同じく海が陸地に囲まれた瀬戸内。見るからに水運で栄えそうな地形。
 
 
たぶん、瀬戸内・地中海類似説は、おそらく何十年も前から日本の学者が唱えているであろう。グーグルマップで見れば見るほど似た地形だし、地政学的にも似たような条件だからだ。そして、自分のような凡人が気付くのだから優秀な学者が気づかないわけがないからである。恐らく、ググれば先行研究も多数出てくるであろう。よって今後、興味深い資料が出てきたらここで開陳する所存である。