2000年ウラジオストック 留学 13

我々は町で白人を見かけたとき、それがアメリカ人であるとかチェコ人であるとか、そういうことは特に考慮しないだろう。

なぜならば彼ら白人は皆同じ顔をしている、少なくとも我々アジア人にはイタリア人もドイツ人も同じ顔に見えるのだから。そして、何故だか我々は白人とみるとみんな英語で話している、もしくはアメリカ人だと思う傾向に無いだろうか?

彼らにとってもそれは同じだ。彼らにとっては、日本人も韓国人も中国人も、場合によってはベトナム人やタイ人にいたるまで皆同じだ。ことにウラジオストックには中国人観光客と韓国人留学生が多かったことからしばしば中国人、韓国人に間違われたが、概ねロシア人たちは我々早稲田の留学生を中国人と呼んでいた。恐らく彼らにとって『中国人』とはアジア人全般を指し示す言葉だったのだろう。

 

 

(2019年に宿泊したゲストハウス。私以外の客はみんな韓国人だった。)

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(オケアンスカヤ通りの韓国料理店。あちらでも韓国料理は人気のようだ。)

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あるとき、私とK嬢が大学そばの売店でショッピングに興じているとき、ロシア人に絡まれたことが会ったが、彼は延々と『いいか韓国人、俺はなぁお前ら韓国人がなぁ・・・』云々、完璧に韓国人だと勘違いされていた。だが・・・向こうにいるうちにそれも小さなことに思えてきた。

 

(この建物はシベリア出兵の時日本の勢力が立てた朝鮮銀行の建物らしい。)

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確かに中国人や韓国人、ことに韓国人はまったく日本人と同じだった。違うのは言葉だけ。それは後日韓国旅行に行くことでその思いがますます強くなっていった。ロシア人たちに中国人、韓国人とともにアジア人として一括りに扱われることで、むしろ彼らに同朋意識すら覚えてしまった。そうだ、我々は漢字を共有し顔かたちが同じで共通の文化を持つアジア人なのだ、こうした思いが私の中で芽生えたのだった。もっとも両国は強烈な反日政策を展開している。だが彼らに言わせると日本が過去の謝罪と反省をしていないとのことなのだが、私は勉強不足なのでどちらの意見が正しいのか分からない。色々難しい問題があるのだ。しかし、ここではこの問題を扱うスペースもないし、色々ややこしいのでここではこの問題を扱わない。ただ、彼らと我々は思った以上に同じだということを最後に付け加える。

 

 

 

(韓国製の食品が並ぶ。韓国企業の旧ソ連圏での人気ぶりは結構なものだ。)

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(看板に日本語、韓国語、中国語が書かれている。三民族がいかにこの街を訪れるかを物語っている看板だ。)

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